青春あっぷでーと
~もっと話そう、子宮頸がん予防~
【vol.2】子宮頸部高度異形成を経験した井口さん、「えっ、がんの一歩手前?」
青春あっぷでーと ~もっと話そう、子宮頸がん予防~【vol.2】子宮頸部高度異形成を経験した井口さん、「えっ、がんの一歩手前?」 
検査で「中等度異形成(ちゅうとうどいけいせい)」が発覚、その後「高度異形成(こうどいけいせい)」に進行して
「子宮頸がんは、実際にどのような形で病気が判明するのでしょう」と西澤アナ。自身の体験談をお話してくれるゲストとして、井口綾子さんがスタジオに登場した。
井口さんは、「子宮頸部高度異形成(しきゅうけいぶこうどいけいせい)」で円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)を受けた。
「定期的に通っていたレディースクリニックで子宮頸がんの検査を提案されて、軽い気持ちで受けてみたら、異常が見つかったんです」と発見までの経緯を振り返った。
大きな病院に紹介されて、精密検査を受けた結果、最初の診断は「子宮頸部中等度異形成」。経過観察をすることになり、不安な気持ちを抱えて毎日を過ごすことに。
話に引き込まれ、真顔で井口さんの顔を見つめる3人。井口さんは、「『中等度異形成』と診断された1年後、『高度異形成』に進行していることがわかって、その段階になったら手術が必要だと告げられたんです」と続けた。
「高度異形成」は異常な細胞が上皮の2/3以上になった状態
「『子宮頸部中等度異形成』や『子宮頸部高度異形成』とは、どのような状態なのですか?」と西澤アナが三輪先生に質問。
三輪先生は、「子宮頸がんになるきっかけは、臓器の表面をおおっている上皮細胞という、一番上の層の細胞がHPVに感染することです」と説明を始めた。
「病変の程度は大きく3段階に分けられていて、軽度異形成が1段階目、中等度異形成が2段階目、高度異形成から上皮内がんが3段階目に分類されます。」
井口さんは、2つ目の異常な細胞が上皮の2/3以下の『中等度異形成』から、3つ目の2/3以上の『高度異形成』に進行し、がんの一歩手前の状態になっていたんですね」(三輪先生)。
以下参考に作図:
・笹川 寿之 臨床と微生物 2009; 36(1): 55-62.
・病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 141.
・日本婦人科腫瘍学会.患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん 治療ガイドライン第3版(2023年)
「『中等度異形成』は治療をせずに経過観察になることが多いんですか?」と西澤アナ。
三輪先生は「『軽度異形成』や『中等度異形成』は経過観察中に自然消失することがあるので、定期的な検査とあわせて経過観察をします。ただ、状況に応じて治療を行うこともあるので、一概には言えません」と答えた。
参照:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来篇2026
病気の進行の段階について学んだ3人。ゆうこすさんが感想を聞くと、せいらさんは「知らないまま進んじゃってたら不安。今ここで知っておいてよかった」、るるさんも「検診に行ったほうがいいと思った。大事なことですね」と話した。
子宮を温存し、入り口を円錐状に切り取る円錐切除術
軽い気持ちで受けた検診で病気が発覚した井口さん。
診断を受けた当時について、「『まさか、自分が…?』って事態を飲み込めない感覚で。『高度異形成』と診断されて、もしかしたら取り返しのつかないことになるかもと思い、もしがんになっていたら子宮を摘出しなければならないのかとか、不安が頭の中を回る感じでしたね」と振り返った。
子宮の入り口を円錐状に切り取る「円錐切除術」を医師から提案され、すぐに知り合いの婦人科の人にも相談した井口さん。妊娠・出産のことを踏まえ、女性の医師からも意見を聞いたが、どの先生も手術がベストという結論だった。
※治療方針は個人によって異なります
井口さんが提案されたという「円錐切除術」について三輪先生が解説する。
「『円錐切除術』は、子宮を温存できるため、妊娠や出産の可能性を残すことができます。実際、日本では年間約12,000人の女性が『円錐切除術』を受けています。※1ただし、手術の後も、早産などを含む後遺症が残る場合があります。また、がんの転移・再発の可能性が残ることもあるんです※2」(三輪先生)
※1 日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会報告2023年度患者年報
※2 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版
井口さんは昨秋手術を終え、現在は経過観察中。「体調は良好で、再発の不安をゼロにすることはなかなかできないですけど、『気づけて良かった』っていう気持ちです」(井口さん)。
関連Q&A
●子宮頸がん検診はどこで受けられるの?
●子宮頸がん検診ってどんなことをするの?
●子宮頸がん検診を受けたら「要精密検査」「要確定精検」と言われ、とっても不安。どうしたらいいの?


忙しいからって体のことを後回しにしないで!自分を守るために、予防のための選択を
監修 三輪 綾子先生
産婦人科専門医
THIRD CLINIC GINZA 院長
産婦人科専門医として、20代、30代という若い年代で子宮頸がんに罹患した患者さんを数多く診てきました。でも今は、ワクチンと検診の両方で、子宮頸がんは予防が可能ながんになっています。※
決して自分は大丈夫、関係ないと思わないでほしい。忙しいからって体のことを後回しにしないでほしい。自分を守るために、そして予防のための選択をできるように、正しい知識を身につけ、”自分で自分の体を守る”という意識を持つことが大切です。
ワクチンや検診に関して、また子宮頸がんという病気について不安や疑問があるときには、病気の専門家である医師(かかりつけ医、婦人科・産婦人科医、小児科医等)に気軽に相談をしてみてくださいね。
※ワクチンと検診で子宮頸がんを100%予防できるわけではありません