![HPVワクチンの接種](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/vaccines-img-conts.png)
監修:上田豊先生(大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師)
<2024年7月5日更新>
子宮頸がん予防のHPVワクチンって?
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。子宮頸がんのほとんどは、主に性交渉によって感染するHPVが原因のため、感染予防としてのワクチン接種が大切です。HPVは、性交渉の経験がある女性なら誰でもかかる可能性があります。
また、子宮頸がんの中には検診で見つかりにくいがんもあるため、できる限りウイルスに感染する前のワクチン接種が大切です。
関連Q&A
●セクシャルデビュー(初めての性交渉)後に、HPVワクチンを接種しても意味はないの?
●HPVワクチンを接種すれば、絶対に子宮頸がんにかからないの?
HPVワクチンを接種している人はどれくらい?
厚生労働省が公開している資料によると、2022年4月から2023年3月までの1年間にHPVワクチンの3回目接種を完了された方は31万人以上いることがわかっています。※1
HPVワクチンについては一時、積極的な接種勧奨が控えられていましたが、2022年より勧奨が再開され、キャッチアップ接種も始まりました。
※1 第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(速報値のため正式な報告件数は変わる可能性があります)
![棒グラフ:近年のHPVワクチン被接種者数(※定期接種およびキャッチアップ接種による被接種者の合計)](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2024/05/vaccines-img.png)
第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料より作図
また、定期的な受診が推奨されている子宮頸がん検診については、2022年度の調査で過去2年間のうちに20~69歳のおよそ1400万人が受診したという報告があります。※2
※2 2022(令和4)年国民生活基礎調査
公費(原則自己負担なし)でのHPVワクチン接種について
HPVワクチンは定期接種の対象となっているため、対象年齢の女性なら公費(原則自己負担なし)で接種することができます。日本で対象となる年齢は、小学校6年生~高校1年生相当です。また、過去に定期接種の機会を逃した方も、同じように公費でワクチン接種することができる制度もあります。
HPVワクチン公費助成※の対象者
※原則自己負担なしで接種できます
![キャッチアップ接種対象者](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/top-parts-catchup-01.png?w=471)
![H9年度生まれ~H17年度生まれの女性(1997年4月2日~2006年4月1日生まれ)かつ、過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない方](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/top-parts-catchup-03.png?w=126)
1997年4月2日~
2008年4月1日生まれ
かつ、過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない方
![2007年度生、2006年度生、2005年度生、2004年度生、2003年度生、2002年度生、2001年度生、2000年度生、 1999年度生、1998年度生、1997年度生](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2024/03/vaccines-parts-catchup_02.png?w=460)
キャッチアップ接種は2025年3月31日まで
キャッチアップ接種の対象者(2024年度に17歳~27歳になる方)が、標準的な接種間隔で、公費での3回接種を完了※2するためには、2024年9月末までに医師に相談ください※4
※1
標準的な接種時期は中学校1年生
※2
接種時の年齢やワクチンの種類により、2回もしくは3回の接種が必要です。
※3
定期接種の最終年度に当たる方(今年度16歳になる方)がワクチン接種の公費助成を受けられるのは2025年3月末までです。
※4
HPVワクチンの標準的な接種間隔の場合は、接種完了※2までに6か月かかります。
※厚生労働省『HPVワクチンのキャッチアップ接種に関するリーフレット』より作成
住民票のある市区町村(自治体)からのお知らせ
をご確認ください。
過去に受けた接種回数や時期により、接種方法が異なる場合があります。
できるだけ母子健康手帳を確認・持参して、市区町村や医療機関に相談してください。
関連Q&A
●定期接種やキャッチアップ接種の年齢には当てはまらないけど、HPVワクチンを接種することはできるの?
●キャッチアップ接種について。なぜ、あらためて、接種の機会が設けられるの?
HPVワクチン接種を受けるとき
子宮頸がんという病気やその予防方法(ワクチン接種、検診)について、不安や疑問がある場合は事前に医師に相談しましょう。
HPVワクチンは、その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回の接種が必要です。
接種のスケジュールや、新型コロナウイルスワクチンなど、ほかのワクチンとの接種間隔についての詳細は、医師にご確認ください。
ワクチン接種を受ける前の確認
定期接種・キャッチアップ接種制度の対象者の方は、自治体から送付された子宮頸がん予防接種のお知らせ(予診票)※
を確認して、注意事項を読みましょう
キャッチアップ接種対象の方は、できるだけ母子健康手帳を確認・持参して、市区町村(自治体)や医療機関に相談してください
体調が良くないときは接種を避けましょう
※子宮頸がん予防接種のお知らせ(予診票)がお手元にない場合など、予診票についてのお問い合わせは、住民票のある自治体に問い合わせましょう。
ワクチン接種の流れ
STEP1 ワクチン接種の予約
・HPVワクチンは、産婦人科だけではなく、小児科、一般内科などのほかの診療科でも接種を受けられます。医療機関によっては土日の接種も可能です。いつ、どこで接種できるかについては、お住まいの市区町村の予防接種担当課に問い合わせるほか、自治体からのお知らせ をご覧ください。
・病院へ連絡して、ワクチンの接種日を予約しましょう。
・接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関に相談しましょう。
![ワクチン接種の予約](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/screening-img-03.png?w=349)
STEP2 病院に着いたら
病院で予診票を受け取ったら、注意事項をよく読んで記入しましょう。予診票が手元にある場合は、忘れずに持参しましょう。
その後、診察室で医師との面談が行われます(問診)。もし他のワクチン接種の予定がある場合は、この時に伝えるようにしましょう。
![病院に着いたら](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/screening-img-04.png?w=409)
STEP3 ワクチン接種
接種する部位をアルコール消毒してから、筋肉内注射をします。
普通は座った状態で接種しますが、横になった状態で接種することも可能です。
慣れていない方や不安な方は、医師に相談しましょう。
![接種する部位をアルコール消毒してから、筋肉注射をします](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/vaccines-img-02.png?w=459)
STEP4 ワクチン接種が済んだら
接種した後30分くらいは、病院で背もたれのあるイスなどに座って安静にします。また、接種した部位は清潔に保つようにしましょう。加えて、強くこすったり、もんだりしないようにしてください。
次回の接種日も考えておくと良いでしょう。
【注意】
接種した日から入浴はできますが、接種当日は激しい運動はさけてください。
1週間以内に体調がおかしいと感じることがあれば、すぐに病院へ連絡するようにしましょう。
万が一、健康被害が生じた場合は、「予防接種健康被害救済制度」もしくは「医薬品副作用被害救済制度」の対象となります。
![接種した後30分くらいは、病院で背もたれのあるイスなどに座って安静にします](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/vaccines-img-03.png?w=429)
HPVワクチン接種の注意事項
注射の痛みや怖いという気持ち、興奮などによるさまざまな刺激がきっかけとなって、めまいやふらつきを起こしたり、気を失うこと(失神)があります。これは、心拍数や血圧が下がることが原因で、通常は横になって安静にするだけですぐに回復します。注射が苦手な方や、怖いと感じている方は事前に医師へ伝えましょう。
![注射が苦手な方や、怖いと感じている方は事前に医師へ伝えましょう。](https://www.shikyukeigan-yobo.jp/wp-content/uploads/sites/298/2023/03/screening-img-01.png?w=241)
接種後にめまいやふらつき、失神などが起きることがあります。転倒してけがをしないように、次の3つの注意事項を守ってください。
- 接種後に診察室から待合室に移動するときには、看護師や保護者の方に腕をもって付き添ってもらってください。
- 接種後30分程度は、背もたれやひじ掛けのあるイスなど、体重をあずけられるような場所で待っていてください。
- 待っている間は、なるべく立ち上がることを避け、座ってください。
また、一般的にワクチンを接種すると、接種した部位が赤くなったり腫れたりすることがあります。これは、体の中でワクチン成分に対する反応が起こるための症状で、通常は数日程度で治まります。
長く続くなど、気になる症状がある場合は医師に相談してください。
関連Q&A
●HPVワクチンの副反応って?
関連Q&A
その他、HPVワクチンページの内容に関連するお悩み・よくある質問をピックアップしました。
HPVワクチンは、その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回の接種が必要です。
接種スケジュール等、詳細は医師にお尋ねください。
HPVワクチンの接種に関しては、HPVワクチンを取り扱う婦人科・産婦人科・小児科・内科の医師にも相談をすると良いでしょう。
厚労省が設置する「感染症・予防接種相談窓口」(電話番号:0120-331-453)でも、HPVワクチンを含む予防接種や性感染症、その他感染症全般についての相談を受け付けています。子宮頸がん検診、子宮頸がんという病気について疑問や不安がある時は、病気の専門家である医師(婦人科・産婦人科医)に相談をすると良いでしょう。
ワクチン接種や子宮頸がん検診の公費助成に関する質問の場合は、お住まいの市区町村(自治体)にお問い合わせください。
※厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症」HPVワクチンに関する相談先一覧
現在、HPVワクチンを公費で接種できるのは、「定期接種」および「キャッチアップ接種」の対象者のみです。
定期接種の対象者は、12歳~16歳となる日の属する年度の末日(3月31日)までの期間内で公費助成で接種することができます。
今年度、対象年齢の最終年度に当たる方(16歳になる方)が、公費で接種を受けられるのは2025年3月31日までとなっています。
また、キャッチアップ接種は今年度で終了するため、キャッチアップ接種の対象者(今年度で17歳~27歳になる方)が公費でワクチン接種を受けられるのは2025年3月31日までです。
詳しくはこちらをご覧ください。
HPVワクチン接種制度の期限について >
監修 上田 豊 先生
大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師
1996年、大阪大学医学部卒業。2018年から大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学・講師。婦人科がんの治療に携わりつつ、子宮頸がん予防の啓発に取り組む。日本産科婦人科学会:専門医・指導医、日本婦人科腫瘍学会:専門医・指導医、社会医学系専門医・指導医、日本疫学会:上級疫学専門家。
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