監修:上田豊先生(大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師)
<2025年1月30日更新>
子宮頸がんには2つの予防方法があります。

HPVワクチンの接種
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ予防接種です。
HPVワクチンは、その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回の接種が必要です。
以下の対象者の方は、接種は公費(原則自己負担なし)で受けることができます。接種スケジュール等、詳細は医師にお尋ねください。
HPVワクチン公費助成※の対象者
※原則自己負担なしで接種できます


2024年度に
小学校6年生~
高校1年生相当の女子※1
2008年4月2日~
2013年4月1日生まれ
※1 標準的な接種時期は中学校1年生



1997年4月2日~
2008年4月1日生まれ
かつ、過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない方

キャッチアップ接種は2025年3月31日まで
※厚生労働省『HPVワクチンのキャッチアップ接種に関するリーフレット』より作成
< お知らせ >
今年度16歳~27歳の方で、2022年4月1日~2025年3月31日の間に1回以上接種していれば、残りの接種を2026年3月31日まで公費で接種できます。
定期接種制度に関しては各自治体にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
※参照:厚生労働省ホームページ ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(Accessed Jan. 08, 2025)

監修 上田 豊 先生
大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師
1996年、大阪大学医学部卒業。2018年から大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学・講師。婦人科がんの治療に携わりつつ、子宮頸がん予防の啓発に取り組む。日本産科婦人科学会:専門医・指導医、日本婦人科腫瘍学会:専門医・指導医、社会医学系専門医・指導医、日本疫学会:上級疫学専門家。
いつかじゃなく、「今」だ。篇(30秒)

見上 愛 さん
2019年にデビュー以降、映画・ドラマ・舞台・CMと幅広く活躍。2024年はKTVドラマ「春になったら」、CXドラマ「Re:リベンジ-欲望の果てに-」、NHK大河ドラマ「光る君へ」、主演映画「不死身ラヴァーズ」、WOWOWドラマ「ゲームの名は誘拐」などに出演。気鋭の若手女優として注目を集めている。
ナレーション
日髙 のり子(ひだかのりこ)さん
代表作は「タッチ」浅倉南、「となりのトトロ」草壁サツキ、「らんま1/2」天道あかね、「名探偵コナン」世良真純、「呪術廻戦」九十九里基ほか多数。
現在は、NHK「あさイチ」、フジテレビ「ミライ☆モンスター」のナレーション、ラジオパーソナリティ、ETC車載器、歌手、ドラマ・朗読劇・バラエティー番組出演など幅広い分野で衰えを知らぬ美声を届け続けているスーパー声優。2024年、声優デビュー40周年を迎える。
これは、今を懸命に生きる女性たちの物語ーー。

課題や制作に追われている20歳の美大生、勉強や部活に忙しい16歳の高校生、任される事が増え仕事が楽しくなってきた社会人3年目の会社員。
忙しい毎日を送っている10代、20代の彼女たちにとって、「子宮頸がん」と聞いても、ピンと来ないかもしれません。なぜなら、病気やましてや「がん」などと言われても、自分にはまだ早いのではと思っても不思議はないからです。
でも、子宮頸がん※は20代~30代でもかかる「がん」。
若い女性でも、かかる可能性がある疾患なのです。
このCMでは、見上愛さん演じる美大生の主人公が、自治体から届いた子宮頸がん予防に関するお知らせを見て、「この病気は、自分にも関係がある」「ワクチンと検診という予防する方法がある」ことに気づき、自ら子宮頸がん予防に向けたアクションを起こすストーリーです。
先延ばしにせず、「今」行動することの大切さを表現しました。
その行動は、自分の未来を守るための大事なアクション。
子宮頸がん予防は、いつかじゃなく、「今」だ。さあ、あなたも。
※子宮頸がん(がんの前段階である上皮内がんを含む)にかかる女性の約38%が20代〜30代です。
「娘の未来に、私が今できること」篇(42秒)

小雪 さん
凛とした佇まいとしなやかな存在感。1998年俳優デビュー、さまざまな役に挑み、2005年の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で『第29回日本アカデミー賞』主演女優賞を受賞。NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」での好演も記憶に新しいところ。発酵食作りの達人を訪ねる「小雪と発酵おばあちゃん」(Eテレ)で見せる、サステナブルで丁寧なライフスタイルも魅力。実生活では3児の母。
これは、大切な娘を守りたいと願う、お母さんの物語ー。

このCMは、小雪さん演じるお母さんの、印象的な心の声ではじまります。
「あなたが生まれてから、あなたを守るために、私にできることは、全力でやって来たつもり」
リビングの片隅で、懐かしい写真とともに母子手帳を眺めるお母さんの脳裏に、さまざまな記憶がよみがえります―。
どんなときも、懸命に娘を守ってきた。命を授かったときから、今日まで、ずっと。
母子手帳の成長の記録や予防接種のページをめくりながら、ふと目を見やると、中学生になった娘はお母さんのつくったサンドウィッチを美味しそうに頬張っている。
その無邪気で無防備な姿に、お母さんは決意します。
「これからも、あなたを守りたいから」
子宮頸がんは、毎年約10,000人が診断され、20代~30代の若い人でもかかる可能性のある疾患※。主な原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染です。
お母さんは、子宮頸がんとその予防方法について医師に相談しようと、行動を起こします。
それは、娘の未来を守るための、大事なアクション。
「娘の未来に、私が今できること」
親以上に、娘の健康を願っている人はいないー。
娘への愛情にあふれたお母さんを、小雪さんが魅力的に表現しています。
子宮頸がん予防は、10代からのHPVワクチン接種と20歳を過ぎたら加えて定期的な検診が大切です。
どうか、お母さん。娘さんと一緒に医師にご相談ください。
子宮頸がんとその予防方法について。
愛しい娘さんの未来を、守るために。
※国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録/厚生労働省人口動態統計)全国がん罹患データ(2016年~2020年)
子宮頸がんに関するお悩み・よくある質問をピックアップしました。
性交渉のパートナーが多いと、HPVの感染機会が増えるため、子宮頸がんにかかるリスクが上がることが知られています。※
ただ、経験人数が少なければHPVに感染しないというわけではなく、一度でも性交渉の経験がある時点で誰にでもHPV感染の可能性があるということは理解しておきましょう。
※Cohen PA, et al. Lancet. 2019; 393: 169-182.
セクシャルデビュー後であっても、HPVワクチンを接種することはできます。
子宮頸がんは主に性交渉によるHPV感染が原因で起こりますが、そのHPVにはたくさんの「型」(タイプ)があります。
性交渉の経験があっても、まだワクチン接種で予防できるHPV型に感染していなければ、予防の効果が期待できます。また、ワクチン接種で予防できるHPV型の一部に感染していたとしても、感染していない他の型に対しては予防の効果が期待できます。
コンドームによる予防効果は他の性感染症に比べると限定的だと考えられています。※1
なぜならHPVは、外陰部や肛門などにも潜むウイルスだからです。性交渉の際に、パートナーが一貫してコンドームを使用することは現実的には難しく、また、妊娠を希望する際には使用することが出来ません。
HPV感染を予防するには、HPVワクチンの接種も大切です。※2
※1 Winer RL, et al. N Engl J Med. 2006; 354: 2645-2654.
※2 HPVワクチンで、HPV感染による子宮頸がんを100%予防できるわけではありません。
性交渉の経験がない方は、HPVに感染して、子宮頸がんになる可能性はかなり低いといえます。そのため、必ずしも子宮頸がん検診を受ける必要はありません。
しかし、子宮頸がん以外にも、子宮や卵巣にかかわる病気もあるので、他の病気を発見するためにも婦人科検診は受けることが大切です。
男女問わず感染します。
女性特有の器官(子宮頸部や腟、外陰部)だけでなく、口腔内や肛門にも感染するため、肛門がんや尖圭(せんけい)コンジローマ(性器や肛門のまわりにできるイボの病気)の原因にもなります。
また、生涯でHPVに感染する割合は女性は84.6%ですが、男性は91.3%もの方が感染するという、海外のデータもあります。
参考:Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41: 660-664.
現在、HPVワクチンを公費で接種できるのは、「定期接種」および「キャッチアップ接種」の対象者のみです。
定期接種の対象者は、12歳~16歳となる日の属する年度の末日(3月31日)までの期間内で公費で接種することができます。
今年度、定期接種の対象年齢の最終年度に当たる方(16歳の方)とキャッチアップ接種の対象者(今年度で17歳~27歳の方)で2022年4月1日から2025年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種している方は、2026年3月31日まで残りの接種を公費で接種することが可能です。
※キャッチアップ接種*は今年度(2025年3月31日)で終了となりますが、キャッチアップ接種期間中に1回以上接種している方は、2026年3月31日まで公費で3回の接種を完了できるよう経過措置が設けられます。
*キャッチアップ接種期間:2022年4月1日~2025年3月31日
定期接種制度に関しては各自治体にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
※参照:厚生労働省ホームページ ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(Accessed Jan. 08, 2025)
詳しくはこちらをご覧ください。
HPVワクチン接種制度の期限について >
日本で公費(原則自己負担なし)の対象となるのは、小学校6年生~高校1年生相当の女の子です。
また、定期接種の機会を逃した方も、同じように公費でワクチンを接種することができる制度(キャッチアップ接種)もあります。
定期接種とキャッチアップ接種対象年齢を超えた方は、自費で接種することが可能です。自費での接種を希望される場合は、お近くの医療機関でご相談ください。