
子宮頸がん予防のHPVワクチンって?
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)です。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こることが知られています。
HPVはとてもありふれたウイルスであり、海外の報告では、異性との性経験のある女性の84.6%が一生に一度はHPVに感染すると推計されています1)。
一般に、がんの予防対策には1次予防と2次予防があります。

HPVワクチン接種は、1次予防にあたり、HPV感染を防ぐ目的で行われます。

子宮頸がんはHPVに感染する前のワクチン接種と検診で予防することができます※。
※ワクチンは含有する型に対して有効です。また、すべてのがんを防ぐわけではありません。

HPVワクチンで防ぐことのできる子宮頸がんの高リスク型はHPV16型、18型です。
HPVワクチンでは予防できない高リスク型HPVもあります。
1) Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41: 660-664.


HPVワクチンでは、すべての型のHPV感染を防ぐことはできません。一方で、検診では見つかりにくいがんもあります。子宮頸がんを予防するためにはHPVワクチン接種と検診の2つが大切です。
HPVワクチン接種の対象についてみてみましょう。
HPVワクチン接種
HPVワクチンは、2022年4月より定期接種の積極的接種勧奨の再開と、積極的接種勧奨が差し控えられていた間に接種機会を逃した女性へのキャッチアップ接種が開始となりました。対象の方は、公費(無料)で接種することができます。
小6~高1相当のお子様をお持ちの方へ
:「定期接種」について
HPVワクチンの定期接種対象者は小学校6年生から高校1年生相当の女の子です(標準的な接種時期は中学1年生です)。対象者は無料(公費助成)でHPVワクチンを接種することができます。
詳しくはお近くの自治体にお問い合わせください。

17~25歳の女性の方へ
:「キャッチアップ接種」について
平成9年度生まれ〜平成17年度生まれまでの女性のなかに、小学校6年生から高校1年生のころに、HPVワクチンの接種を受けていない方がいます。
キャッチアップ接種は、過去に定期接種の機会を逃した方も、公費助成でワクチンを接種できる制度です。対象年齢の方は公費(無料)で接種することができます。
次の2つを満たす方が、対象となります。
①平成9年度生まれ〜平成17年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日〜2006年4月1日)の女性
②過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない
※このほか、平成18・19年度生まれの女性は、通常の接種対象(小学校6年生から高校1年生相当)の年齢を超えても、令和7(2025)年3月末まで接種できます。
【接種可能な期間】
令和4(2022)年4月〜令和7(2025)年3月の3年間、無料(公費助成)で接種を受けられます。
ワクチンの接種について
(定期接種・キャッチアップ接種)
住民票のある市町村からのお知らせをご確認ください。
過去に受けた接種回数や時期により、接種方法が異なる場合があります。できるだけ母子健康手帳を確認・持参して、市町村や医療機関に相談してください。


小学6年生~高校1年生相当の女の子を対象とした「定期接種」と、定期接種対象期間に接種を受けられなかった方(平成9年度生まれ~平成17年度生まれの女性)を対象とした「キャッチアップ接種」の制度があります。
対象の方は、公費(無料)で接種することができます。
他にも、HPVワクチン接種について知っておいてほしいことがあります。
HPVワクチン接種について知っておきたい大切なこと
接種について気になることや不安なことは、事前に医師に相談しましょう。
接種について知っておきたい大切なこと
【痛みと失神】
注射の痛みや怖いと思う気持ち、興奮などによるさまざまな刺激がきっかけとなり、心拍数や血圧が下がることで、気を失う(失神)ことがあります。
注射が苦手な人や、怖いなと思う人は、事前に医師に伝えましょう。
通常は、横になって安静にするだけですぐに回復します。


また、一般的に、ワクチン接種において、接種した部分が赤くなったり、腫れたりすることがあります。これは、ワクチンによって免疫がつくられるときの身体の反応によるもので、数日で消えることがほとんどです。
注射の痛みはそれぞれ感じ方が異なるため、痛みを強く感じる場合もあります。心配な場合は医師などに相談しましょう。


不安なことや気になることがあるときは、どんなことでも、接種を検討している病院や、医師などに相談しましょう。
続いて、実際のHPVワクチン接種の流れについてみてみましょう。
HPVワクチン接種の流れ
HPVワクチン接種の流れをご紹介します。

【ワクチン接種の予約】

[ 詳しくみる ]
病院へ連絡して、ワクチンの接種を予約しましょう。

【病院についたら】

[ 詳しくみる ]
病院で予診票を受け取ったら、ご家族の方と一緒に、注意事項をよく読んで、記入しましょう。すでに手元にある場合は忘れずに持参しましょう。体温も測ります。

【ワクチン接種】

[ 詳しくみる ]
<診察室へ>
問診が行われます。なお、他のワクチン接種の予定がある場合は、医師に伝えましょう。
<いよいよワクチン接種>
接種する部位をアルコール消毒し、筋肉内注射をします。
通常、座って接種しますが、ワクチン接種に慣れていない方などは、横になって打つこともできますので、医師にご相談ください。

【ワクチン接種が済んだら】

[ 詳しくみる ]
接種後30分程度は、病院で背もたれのあるイスなどに座って安静にします。
接種部位は清潔に保ち、強くこすったり、もんだりしないようにしてください。
次回の接種日も考えておくとよいでしょう。
※注意
接種した日からお風呂には入れますが、接種後24時間は激しい運動はさけてください。
1週間以内に異常な反応や体調の変化があった場合は、病院にすみやかに連絡してください。
健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度もしくは医薬品副作用被害救済制度の対象となります。


HPVワクチン接種は、他のワクチン接種と同じで、特別なことはありません。注射が苦手な人は、医師などに相談しましょう。
それでは、子宮頸がんのもう1つの予防手段である検診についてみてみましょう。

