「子宮」は妊娠中に赤ちゃんが育つ部分(子宮体部)と、赤ちゃんを産む際に産道の一部となる部分(子宮頸部)に分けることができます。
子宮は女性にとって、とても大切な器官です。
子宮にできるがんには、子宮の入り口に発生する「子宮頸がん」と、子宮の奥に発生する「子宮体がん」の2種類があります。
これら2つのがんは、発症する年齢も原因も違います。
子宮頸がん | 子宮体がん (子宮内膜がん) | |
発生部位 | 子宮の入り口の子宮頸部 | 胎児を育てる子宮体部の内側にある子宮内膜 |
発症年齢 | 20代後半から多くなり、40代以降は横ばい。若い世代(20~30代)で増えている。 | 40代から多くなり、50~60代で最も多くなる。 |
主な発生原因 | ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)の感染 | エストロゲン(女性ホルモン)による長期的な刺激 |
子宮頸がんは、20~30代の女性で増えています。
日本人女性の出産年齢と年齢別子宮頸がん発症率(2014年)
さらに、子宮頸がんには大きく分けて、扁平(へんぺい)上皮細胞と呼ばれる部分に発生する「扁平上皮がん」と、円柱(えんちゅう)上皮細胞と呼ばれる部分に発生する「腺がん」があります。
「腺がん」は検診でも見つけづらく、治療後の経過がよくないがんの1種であるといわれています。
最近ではこの「腺がん」が増加しています。
日本人女性における腺がんの罹患率の推移
20~30代の女性の子宮頸がんは増えています。
日本では、年間約10,000人が子宮頸がんにかかり、毎年約2,800人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。
また、子宮頸がんは、早期に発見できれば、命や子宮を守ることのできる病気ですが、治療による後遺症などの影響がでることもあります。
治療による影響は、生活の質(QOL)を下げてしまいます(例えば、妊娠しにくくなる、便秘がちになる、むくみがちになるなど)。
子宮頸がんは恋愛・結婚・出産など、女性が人生の大きなイベントを控える時期での発症率が高くなっています。
日本人女性の出産年齢と 年齢別子宮頸がん発症率(2014年)
毎年多くの女性の命が、子宮頸がんにより奪われています。