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子宮頸がん検診

子宮頸がん検診

監修:上田豊先生(大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師)
<2023年4月1日更新>

子宮頸がん予防の検診って?

子宮頸がん検診とは、がんになる前の細胞(前がん病変)や、がんの早期発見ができる検査のことです。20歳を過ぎたら、2年に1回の子宮頸がん検診を受けましょう。

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子宮頸がん検診はどこで受けられるの?

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子宮頸がん検診の内容

子宮頸がん検診は、画像診断や腫瘍マーカーなど、ほかのがん検診で行うような間接的な検査ではなく、がんができる場所の細胞を直接採取して確認する検査です。
子宮頸がん検診では、子宮の入り口部分の表面を、やわらかいヘラやブラシで軽くこすって細胞を採取して調べます(細胞診)。

産婦人科をはじめとする医療機関で受けることができ、1~2分程度で済む検査です。痛みには個人差があります。

産婦人科をはじめとする医療機関で
受けることができ、1~2分程度で済む検査です。
痛みには個人差があります。

ワクチン接種と検診は両方とも必要?

ワクチン接種と検診は役割が違うため、どちらも受けることが重要です。
まず「1次予防」としてHPV感染を防ぐためのワクチン接種があり、「2次予防」としてがんになる前の段階やがんの初期に発見するための定期的な検診があります。

表:正常→性交渉→HPV感染→前がん病変(※がんになる前の状態)→子宮頸がん | 正常→性交渉にいく前の段階で、HPVワクチン接種によるウイルス感染予防(1次予防)が重要 | 前がん病変(がんになる前の状態)・子宮頸がん(がんの初期)の段階で検診による早期発見(2次予防)が重要

子宮頸がん検診を受ける前に

子宮頸がんという病気やその予防方法(ワクチン接種、検診)について、不安や疑問がある場合は医師に相談することができます。
現在、厚生労働省が20歳以上の女性に対して、2年に1回の子宮頸がん検診をすすめています。生理時を避けて受診しましょう。

★性交渉の経験がない方は、必ずしも子宮頸がん検診を受ける必要はありません。ただし、他の病気を発見するためにも、婦人科検診は受けることが大切です。

検診の流れ

STEP1 検診の予約

女性医師を希望する場合や、費用などは事前に調べておくと良いでしょう。予約の際に、受診時の注意を確認しておくと安心です。
自治体からの案内が届いている場合は、そちらも確認しましょう。

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子宮頸がん検診にかかる費用は?
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検診の予約

STEP2 病院に着いたら

所定の問診票に記入します。直前の生理や生理周期の記載が必要なので、自分の生理周期メモがあると良いでしょう。その他、初潮年齢や生理の様子、妊娠・出産の経験の有無などについても確認があります。
医師の診察を受け、検診の内容も説明されますので、身体の気になる症状や心配なことがあったら、あわせて相談しましょう。

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子宮頸がん検診と生理が重なった場合どうしたら良いの?

病院に着いたら

STEP3 検診

下着を脱ぎ、内診台(ベッドの場合もあります)に上がります。スカートなど、診察を受けやすい服装での受診がおすすめです。おなかの辺りからカーテンで仕切られるので、診察医とは顔を合わせない状態になります。
まずは子宮頸部の状態を目で見て確認(視診)します。内診では、腟内に指を入れ、子宮の形、大きさ、位置、動き、圧痛の有無などを確認します。

検診

STEP4 細胞診

やわらかいヘラや、ブラシなどで、子宮の入り口をそっとこすって、細胞を採取します。
痛みには個人差がありますが、採取は1~2分程度で終わります。これで検査は終了です。
採取した細胞は顕微鏡検査に提出され、判定が行われます。

細胞診

STEP5 検診結果

医療機関によって違いはありますが、およそ1~2週間後には細胞診の検査結果がわかります
結果は郵送してもらうか、再受診時に説明を聞くかなど、施設によって異なりますので、検診終了時に確認しておきましょう。

検査結果

★自治体によって異なりますが、ほとんどの市区町村では、一部の自己負担でがん検診を受けることができます。お勤め先や、加入する健康保険組合などでも、がん検診を実施している場合がありますので、ご確認ください。

検診結果について

子宮頸がん検診の検査結果は「精密検査不要」もしくは「要精密検査」のどちらかです。「要精密検査=がん」というわけではありませんが、検診時よりもさらに詳しい検査をする必要があります。検診結果が届いてから1か月以内を目安に、医療機関で精密検査を受けましょう。
また「精密検査不要」の場合でも、2年に1回は定期的な検診を受けることが大切です。

精密検査不要-2年に1回の定期的な検診を受けましょう | 要精密検査-必ず精密検査を受診しましょう

関連Q&A

その他、検診ページの内容に関連するお悩み・よくある質問をピックアップしました。

HPVワクチンの接種に関しては、HPVワクチンを取り扱う婦人科・産婦人科・小児科・内科の医師にも相談をすると良いでしょう。

厚労省が設置する「感染症・予防接種相談窓口」(電話番号:0120-331-453)でも、HPVワクチンを含む予防接種や性感染症、その他感染症全般についての相談を受け付けています。子宮頸がん検診、子宮頸がんという病気について疑問や不安がある時は、病気の専門家である医師(婦人科・産婦人科医)に相談をすると良いでしょう。

ワクチン接種や子宮頸がん検診の公費助成に関する質問の場合は、お住まいの市区町村(自治体)にお問い合わせください。

※厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症」HPVワクチンに関する相談先一覧

監修 上田 豊 先生
大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師

1996年、大阪大学医学部卒業。2018年から大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学・講師。婦人科がんの治療に携わりつつ、子宮頸がん予防の啓発に取り組む。日本産科婦人科学会:専門医・指導医、日本婦人科腫瘍学会:専門医・指導医、社会医学系専門医・指導医、日本疫学会:上級疫学専門家。

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